傾き・勾配
あるn次方程式の接線の傾きに対してのアプローチは大まかに分けて2種類の方法がある
n次方程式の判別式を利用する方法と、
判別方式を利用した傾きの考察
二次方程式の根の公式の根号の中身を D とし、その式の特徴を分析する「判別式」とする
この D で根の質を知る事が出来る
二次方程式の根の公式は式内に複号(±)がある事から二つの解(根)が導き出される
これらをx1とx2として係数と根の関係を確かめてみる
この式は x1 と x2 が同一の値の場合、D が 0 になる事を表す。つまり重根である場合 D は 0 になる事を代数的に確認できる式となっている
判別式 | 根 | 呼び方 |
D>0 | ふたつの異なる実数となる | 実根 |
D=0 | 重複した実数となる | 重根 |
D<0 | 共益な虚数となる | 虚根 |
この性質を利用して放物線の接線の傾きを表す直線の式を導き出してみる
ここでは順番に考えていく。まず二つの関数、直線の一次方程式、放物線の二次方程式、の交点を求める事から始める。このふたつの関数の式は以下になる
この時、グラフを見ると交点が二つある事が確認できる。これは直線と放物線が交わる時、その交点が最大ふたつ出来る事を表している
お互いの関数のグラフの交点を知りたい時、その連立方程式を解けばよかった。普段、見かける単一の二次方程式 y=ax^2 も y=0 という隠れた直線との
連立方程式を解いている事になっている。上記の連立方程式を解くと以下になる
以上の事を踏まえて、今度はこの放物線の接線を求める事を考える。まず接線を表す直線の式の傾きを m という未知数にする。つまりy=mx が直線の一次方程式
そして放物線側の判別式を重根にすると交点は一つに絞る事が出来る事を利用して D=0 として 判別式を 0=b^2-4ac とする
放物線の方程式には特に変更を加えない。この直線の一次方程式は必ず原点 (0,0) を通る。そして二次方程式側も片方の根で原点を通っている
これらの連立方程式を m に対して解けば原点 (0,0) の接線の式が導ける筈だと考える
ここで判別式 D と 直線側の傾き(勾配)m との関係を確認してみる
したがって値の推移は以下のような表になる
m | D | x2 | y |
m=1 | D=(1-6)^2=25 | x2=root(25)=5 | y=-5^2+6*5= 5 |
m=2 | D=(2-6)^2=16 | x2=root(16)=4 | y=-4^2+6*4= 8 |
m=3 | D=(3-6)^2=9 | x2=root(9)=3 | y=-3^2+6*3= 9 |
m=4 | D=(4-6)^2=4 | x2=root(4)=2 | y=-2^2+6*2= 8 |
m=5 | D=(5-6)^2=1 | x2=root(1)=1 | y=-1^2+6*1= 5 |
m=6 | D=(6-6)^2=0 | x2=root(0)=0 | y=-0^2+6*0= 0 |
この事から傾き(勾配)m の値が 6 に近づけば D は 0に近づいていく(x2 は x1 に向かって近づいて行く)様子がわかる
この2点を限りなく近づけて接線を計算するという一連の計算操作は微分に近い操作となっている
これを微分で操作する場合、以下のような計算となる
- 最終更新:2015-02-19 13:27:30